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【基本】同類項と降べきの順

【基本】整式とそれに関連する用語では、整式に関連する用語をまとめましたが、ここでは「式を整理すること」についてまとめていきます。

📘 目次

同類項

「式の整理」とは、簡単に言ってしまえば、「まとめる」と「並べる」の2つです。まずは、「まとめる」からみてみます。

整式の中で、文字の部分が同じ項を「同類項」(similar terms)と言います。

例えば、「$a^2+ab-b^2+2ab+3b^2$」の場合、「$ab$ と $2ab$」「$-b^2$ と $3b^2$」がそれぞれ同類項になります。

同類項はまとめることができます。次のようにして計算します。
\begin{eqnarray} & & a^2+ab-b^2+2ab+3b^2 \\[5pt] &=& a^2+(ab+2ab)+(-b^2+3b^2) \\[5pt] &=& a^2+3ab+2b^2 \\[5pt] \end{eqnarray}このようになります。

【基本】整式とそれに関連する用語#次数では、「多項式の次数は、各項の中で一番次数が高いもの」と説明しましたが、同類項を含む場合は、整理した後の状態で一番次数の高いものを考えます。

例えば、 $3x^2+5x-3x^2-7x$ という式なら、整理すると $-2x$ となるので、次数は $1$ となります。 $3x^2$ などが含まれていますが、整理すると消えてしまうので、次数は $2$ にはならないことに注意しましょう。

試験で答えを書くときに、同類項をまとめていない場合は、不正解となります。「計算の途中」だと認識されてしまいます。必ず、同類項をまとめてから答えを書くようにしましょう。

降べきの順

項が複数ある式では、どういう順番に並べるのか、たくさんパターンがありますよね。足す順番を変えても答えは一緒なので、$x^2+x+1$ も $x+1+x^2$ も $1+x^2+x$ も式としては同じ内容です。

しかし、普通は、一番先頭の次数を一番高くして、順番に低くなるように並べます。このような並べ方を「降冪(こうべき)の順」と呼びます。「べき」というのは、何乗かした結果のことです。つまり、降べきの順とは、次数がだんだんと小さくなる順番、ということです。上の例では、降べきの順に並べると $x^2+x+1$ になります。

逆に、一番先頭の次数が一番低く、徐々に高くなる並べ方は、「昇冪(しょうべき)の順」といいます。上の例であれば、 $1+x+x^2$ です。ただ、高校までの範囲では、このように並べることは少ないです。

試験で答えを書くときは、「降べきの順」で答えを書くのがいいです。降べきの順でなかったからといって、不正解にはならないかもしれませんが、降べきの順にしておくと計算間違いが防げます。順番に並べることで、同類項が見つけやすくなるからです。なので、何も言われていなくても「降べきの順」で書きましょう。

複数の文字がある場合の並び順

文字が一種類しかない多項式の場合は、降べきの順に並べるのは簡単です。しかし、文字が複数だと、やっかいです。

例えば、$x^2+xy+y^2+x+y+1$ という式があった場合、どう並べるのがいいのでしょうか。

文字が一種類の場合と比べ、ルールがあいまいですが、よくあるものを紹介しましょう。

まずは、「1つの文字に着目する」というやり方があります。

例えば、$x$ について着目します。つまり、$x$ 以外は(文字であっても)すべて定数とみなす、ということです。そして、係数の中で、また降べきの順に並び替えます。結果はこうなります。\[ x^2+(y+1)x+y^2+y+1\]

$y$ に着目して整理することも可能で、その場合は次のようになります。\[y^2+(x+1)y+x^2+x+1\]

試験では、このように、各文字について着目して順番に並べていく方法なら、不正解になることはないでしょう。どちらも正解ですが、アルファベット順で先に来るものに注目することが多いです(今の場合なら、x に着目)。

別の方法としては、式の前の方に次数が高いものを、後の方に次数が低いものをもってくる並べ方もあります。その場合の例としては、\[ x^2+xy+y^2+x+y+1 \]となります。この場合は、前3つの項が2次、次の2つの項が1次、最後が定数項です。そして、それぞれの塊の中で、$x$の降べきの順になっています。

なお、文字同士の積はアルファベット順に書くのが普通です。特別な理由がない限り、 $xy$ を $yx$ と書くことはありません。

おわりに

ここでは、同類項や、降べきの順について見てきました。

定期テストでは「降べきの順にせよ」という問題が出ることはありますが、入試ではほぼ出ません。しかし、同類項を見つかりやすくなり、計算間違いを防ぐことができるので、指示がなくても降べきの順で解答するようにしましょう。

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