【基本】和事象の確率

【基本】和の法則(確率)では、2つの事象が同時に起こらないときの和事象の確率を考えました。ここでは、同時に起きることがありえる場合の、一般的な和事象の確率を考えていきます。

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和集合の要素数

例題
1から15までの整数が1つずつ書かれた、15枚のカードがある。この中から無作為に1枚のカードを選ぶとき、そのカードに書かれている数字が、3の倍数または4の倍数である確率を求めなさい。

無作為に」というのは確率の問題でよく出てくる単語です。「偶然にまかせて」といった意味で、ランダムにカードを選ぶことを意味します。どの数字も、同じ確率で選ばれる、ということです。そのため、対象の場合の数を考えて、全体の場合の数で割れば、答えになります。

1から100までの整数の中に、3の倍数は、 $15 = 3 \times 5+1$ なので、5個あります。また、4の倍数は、 $15=4\times 3+3$ なので、3個あります。

ただし、この2つには、共通して含まれているものがあります。それを除外しないと、二重で数えてしまうことになってしまいます。両方に含まれているもの、というのは、3の倍数でもあり、4の倍数でもあるということなので、12の倍数ですね。\[ 15=12\times 1+3 \]なので、1個あります。

以上から、求める確率は、\[ \frac{5+3-1}{15}=\frac{7}{15} \]となります。

ここで求めた方法は、次で見るように、和集合の要素数に着目して解いたことになります。

和事象の確率

上の例題での解き方をもう少し見てみます。

1から15までの数字のうち、3の倍数の集合を A 、4の倍数の集合を B とし、 $n(A)$ などで集合の要素数を表すとしたとき、上の例題での解き方の中では、次の関係式を使っています。\[ n(A\cup B) = n(A)+n(B)-n(A\cap B) \]これは、【基本】和集合の要素の個数で見た関係式です。2つの集合が重なっている部分を2回数えることになるので、その分を後で引いているわけですね。

上の式は、一般の集合に対してもなりたちます。各項を「全体の集合の要素数」で割ったものが、それぞれの確率になるので、和事象の確率は、次のようにして求めることもできます。

和事象の確率
事象 A, B に対して、次が成り立つ。\[ P(A\cup B)=P(A)+P(B)-P(A\cap B) \]

これを使って上の例題を解きなおすなら、「3の倍数である事象」をA、「4の倍数である事象」をBとして、次のように求めることになります。
\begin{eqnarray}
P(A\cup B)
&=&
P(A)+P(B)-P(A\cap B) \\[5pt] &=&
\frac{5}{15}+\frac{3}{15}-\frac{1}{15} \\[5pt] &=&
\frac{7}{15} \\[5pt] \end{eqnarray}足し引きしてから割るか、割ってから足し引きするか、の違いだけなので、1つ目の解き方も2つ目の解き方も、ほとんど同じことです。前者は場合の数を、後者は確率を意識した解き方になっています。

なお、【基本】和の法則(確率)で見た内容は、考えている事象が互いに排反のとき、つまり、上の記号を使うと $P(A\cap B)=0$ のときなので、上の式の特殊な場合であることがわかります。

おわりに

ここでは、和事象の確率を見ました。はじめの解き方のように和集合の要素数を全体の要素数で割って求めることもできますが、2つ目の解き方のようにはじめから確率を考えて解くこともできます。

2つの解き方は、背景が少し違います。しかし、実際には、この違いが意識されることは、ほとんどありません。解きやすい方、考えやすい方を使って解くのがいいでしょう。