【基本】余事象の確率(起こらない確率)

ここでは、「ある事象が起こらない確率」について考えます。

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補集合の要素数

例題
3枚のコインを同時に投げるとき、少なくとも1枚が裏になる確率を求めなさい。

「3枚のコイン」とありますが、これらはすべて区別できるものとして考えます。そうすることで、それぞれのコインの出方が同様に確からしく起こると考えられるようになります(参考:【基本】同様に確からしい)。

コインを、 $C_1,C_2,C_3$ とします。3枚の表・裏の出方は、それぞれ2通りずつあるので、 $2^3=8$ 通り、となります。

3枚の表・裏の結果を、 $(C_1,C_2,C_3)$ の形で表すことにすると、「少なくとも1枚が裏」という状況は、(裏、裏、裏) や (表、裏、表) など、いろんなパターンがありますね。このような場合の数を求めるには、補集合を考えると求めやすくなることがあります(参考:【標準】「少なくとも」の条件が付いた集合の要素数)。

「少なくとも1枚が裏」「裏になったコインがある」の否定は、「すべて表」です(参考:【基本】「すべての」「ある」の否定)。こうなる場合は、(表、表、表) の1通りですね。

以上から、求める確率は、\[ \frac{2^3-1}{2^3}=\frac{7}{8} \]となります。

余事象の確率

上の例題について、もう少し見ていきましょう。

3つのコインの結果すべてからなる集合(全体集合)を U としましょう。そして、「3枚すべてが表」という結果の集合を A とします。すると、この補集合 $\bar{A}$ は、「少なくとも1枚が裏」という集合になります。 $n(A)$ が要素の数を表すとすると、次の式が成り立ちます。\[ n(\bar{A}) = n(U)-n(A) \]これは、【基本】補集合の要素の個数で見た内容です。

各項を $n(U)$ で割ったものがそれぞれの確率となるので、少なくとも1枚が裏になる確率は、次のように書けます。\[ 1-P(A) \]ここで、事象 $A$ に対し、「A が起こらない」という事象を、 A余事象(complementary event) といい、 $\bar{A}$ で表します。上の式は、一般の事象に対しても成り立つので、次のようにまとめることができます。

余事象の確率
余事象の確率 $P(\bar{A})$ について、次が成り立つ。\[ P(\bar{A})=1-P(A) \]

A が起きるか起きないか、必ず一方だけが成り立つので、2つの確率を足すと、当然 $1$ になります。よって、起きない確率は、 $1$ から起きる確率を引けばいいんですね。

上の例題でいうと、 $1$ から「すべて表になる確率」を引けば、「”すべて表”にはならない確率」=「少なくとも1枚が裏になる確率」が求められるので、\[1-\frac{1}{2^3}=\frac{7}{8}\]となります。

おわりに

ここでは、ある事象が起きない確率、余事象の確率を考えました。 $1$ からその事象の確率を引くことで、余事象の確率が求められるんでしたね。

直接確率を求めにくい時には、余事象を使って解けないか、考えてみるようにしましょう。特に、「〇〇でない確率」「少なくとも〇〇になる確率」「〇〇が(1つ以上)存在する確率」などの場合に、余事象を考えたほうが解きやすくなる場合があります。