【基本】極大値と極小値

ここでは、極大値と極小値についてみていきます。なお、ここで出てくる関数は、整式で表されるものを想定しています。

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極大値と極小値

【基本】増減表では、増減表の書き方、そして、それを利用したグラフの描き方をみました。導関数の符号を調べることで、関数が単調に増加しているのか、単調に減少しているのかがわかるのでしたね。

例えば、 $f(x)=2x^3-x$ という関数であれば、 $f'(x)=6x^2-1$ であることから、増減表は次のようになります。
\begin{array}{c|ccccc}
x & \cdots & -\frac{\sqrt{6}}{6} & \cdots & \frac{\sqrt{6}}{6} & \cdots \\
\hline
f’(x) & + & 0 & – & 0 & + \\
\hline
f(x) & \nearrow & \frac{\sqrt{6}}{9} & \searrow & -\frac{\sqrt{6}}{9} & \nearrow
\end{array}これより、 $y=f(x)$ のグラフは、次のようになることがわかります。

増減表を見れば、 $x=-\dfrac{\sqrt{6}}{6}$ の前後で、導関数の符号がプラスからマイナスになることや、 $x=\dfrac{\sqrt{6}}{6}$ の前後で、導関数の符号がマイナスからプラスになることがわかります。その結果、山や谷ができることがわかるのですね。

この山の頂上の部分、つまり、導関数の符号がプラスからマイナスへと切り替わる点、言い換えると、関数の値が増加から減少に切り替わる点は、グラフの特徴的な点です。そのため、ここには名前がついています。 $x=a$ を境目にして、関数 $f(x)$ が増加から減少に切り替わるとき、 $f(x)$ は $x=a$ で極大になる、といい、 $f(a)$ のことを極大値といいます。

$f(a)$ が極大値となる場合、 $x$ が $a$ とは異なるが近い値の場合は、 $f(x)\lt f(a)$ が成り立ちます。ただ、全区間で成り立つとは限りません。実際、上のグラフを見ても、 x が大きい値になると、極大値より大きな値をとることがわかります。つまり、極大値というのは、局所的な最大値というわけです。

一方、谷底の部分にも名前がついています。 $x=b$ を境目にして、関数 $f(x)$ が減少から増加に切り替わるとき、 $f(x)$ は $x=b$ で極小になる、といい、 $f(b)$ のことを極小値といいます。

また、極大値と極小値をまとめて極値といいます。例えば、「極値を求めなさい」といわれたら、極大値と極小値の両方を求める、ということです。

極値をとるところでは、導関数の符号がプラスからマイナスになるか、マイナスからプラスになります。どちらの場合であっても、極値をとるところでは、導関数の値は $0$ となることがわかります。

ここまでの話をまとめると、次のようになります。

極大値・極小値
$f'(x)$ の符号が、 $x=a$ の前後で正から負に変わるとき、 $f(a)$ は極大値となる。
$f'(x)$ の符号が、 $x=a$ の前後で負から正に変わるとき、 $f(a)$ は極小値となる。
$f(x)$ が $x=a$ で極値をとるなら、 $f'(a)=0$ となる。

極大値と極小値に関する注意

新しい用語が出てきましたが、極大値は山の頂上、極小値は谷底、と考えておけば大丈夫です。これらについて、少し注意が必要なところがあります。

1つは、「必ずしも極値が存在するわけではない」ということです。例えば、 $y=2x^3+x$ という関数を考えてみましょう。この場合 $y’=6x^2+1$ なので、導関数は常に正です。なので、「正から負」になる部分も「負から正」になる部分もありません。よって、この場合、極値は存在しません。常に単調に増加することがわかります。

また、「 $x=a$ で極値をとるなら $f'(a)=0$ 」と書きましたが、逆は成り立ちません。つまり、 $f'(a)=0$ でも、 $x=a$ で極値をとるとは限らないんですね。例えば、 $y=x^3$ という関数であれば、導関数は $y’=3x^2$ です。よって $f'(0)=0$ となります。しかし、この前後の導関数の符号を見ると、「正から正」です。そのため、山や谷にはなりません。

この場合も、極値はとりません。

つまり、 $f'(x)=0$ を満たす x は、極値をとる候補ではありますが、極値をとるとはいえないんですね。そのため、こうした候補を計算してから、1つ1つ、この値の前後で導関数の符号がどうなっているかを調べる必要があります。正から負、負から正のどちらかとなっている場合でなければ、極値をとるとは限りません。

以後、こうしたことに注意していきましょう。

おわりに

ここでは、極大値・極小値を見て、いくつかの注意点も見てきました。微分をしてそれが $0$ となる場所は重要ですが、導関数の符号を調べるまでは極値をとるかどうかまではわかりません。この点に注意して考えていきましょう。