なかけんの数学ノート

【基本】条件付き確率

ここでは、「ある事象が起こったときに、別の事象が起こる確率」を考えます。「条件付き確率」というものを見ていきます。

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くじをひく

例題
2本のあたりくじを含む10本のくじから、XさんとYさんが順番に1本ずつくじを引く。引いたくじを戻さないとするとき、Yさんがあたりくじを引く確率を求めなさい。

「引いたくじを戻さない」ので、Xさんの結果によって、Yさんがくじを引くときの状況は変わってきます。なので、これは、独立試行反復試行ではありません。

ケースは、2つあります。Xさんが当たって、Yさんも当たるケース、そして、Xさんが外れて、Yさんは当たるケース。両方が同時に起こることはないので、それぞれの確率を求めて、足せば答えになります。

まずは、場合の数として、問題を考えていきます。同様に確からしい状況を考えるため、くじはすべて区別できるものとして考えます。よって、AさんとBさんがくじを引く場合の数は、 $10\times 9=90$ 通りあります。

Xさんが当たってYさんも当たる場合を考えてみましょう。Xさんは2本のあたりくじのどちらかを選び、Yさんは残りの1本を選ぶことになるので、こうなる場合の数は、 $2\times 1=2$ 通りとなります。

一方、Xさんが外れてYさんは当たる場合を考えます。Xさんははずれくじ8本から1本を選び、Yさんはあたりくじ2本から1本を選ぶので $8\times 2 =16$ 通り、となります。

以上から、この2つを足して、すべての場合の数で割れば、求める確率となります。\[ \frac{2\times 1+8\times 2}{10\times 9} = \frac{18}{90} = \frac{1}{5} \]となります。

ちなみに、Xさんが当たる確率は、Yさんの行動を無視して考えてもいいので、\[ \frac{2}{10}=\frac{1}{5} \]となります。Yさんが当たる確率と同じですね。つまり、くじを引く順番が違っても、確率は変わらないんですね。

条件付き確率

上の例題を、確率の観点から考え直してみましょう。

上で求めた確率を\[ \frac{2\times 1}{10\times 9} + \frac{8\times 2}{10\times 9} = \frac{1}{5} \]と求めれば、確率における和の法則を使っていることになります(計算結果は同じなので、あまり気にしなくてもかまいませんが)。

この1つ目の項について考えましょう。これを、上の和の法則のときのように、次のように2つの確率に分解してみます。\[ \frac{2\times 1}{10\times 9} = \frac{2}{10} \times \frac{1}{9} \]左辺は、「XもYも当たる確率」を表しています。右辺の1つ目の分数は、「Xが当たる確率」を表しています。では、2つ目の分数は何を表しているでしょうか。

これは、全体の場合の数が9で、該当する場合の数が1なので、「Xが当たったときに、Yが当たる確率」を表していると考えることができます。

同様に、 $\dfrac{8\times 2}{10\times 9}$ を次のように分解してみます。\[ \frac{8\times 2}{10\times 9} = \frac{8}{10} \times \frac{2}{9} \]こうすると、左辺は「XがはずれてYが当たる確率」、右辺の1つ目の分数は「Xがはずれる確率」です。そして、2つ目の分数は、「Xがはずれたときに、Yが当たる確率」を表しています。

一般に、このような「事象 A が起こったときに、事象 B が起こる確率」のことを、「事象 A が起こったときの事象 B が起こる条件付き確率(conditional probability)」といいます。

記号では、 $P_A(B)$ と書いたり、 $P(B|A)$ などと書いたりします。

条件付き確率の基本的な求め方

今まで、確率は、「それが起こる場合の数を、全体の場合の数で割る」ことで求めていました。条件付確率の場合は、「全体」の部分が変わります。「事象 A が起こったとき」という条件が付けば、「すべてのことが起こりうる世界」から「事象 A が起こる世界」に視点を移さないといけません。

よって、条件付き確率は、次のように求めることとなります。なお、 $n(A)$ は集合の要素数を表しています。\[ P_A(B) = \frac{n(A\cap B)}{n(A)} \]A が起こった世界を考えるので、「AB も起こる場合の数」を「A が起こる場合の数」で割ったものが、「A が起こったときの B が起こる条件付き確率」となります。

冒頭の例なら、XさんとYさんのくじの引き方の総数 $10\times 9=90$ 通りのうち、Xさんがあたる引き方が $2\times 9$ 通りあり、XさんもYさんも当たる引き方が $2\times 1$ 通りなので、「Xさんが当たったとき、Yさんが当たる条件付き確率」は、\[ \frac{2\times 1}{2\times 9} =\dfrac{1}{9}\]となります。

おわりに

ここでは、条件付き確率について見てきました。シンプルな例ではわかりやすいですが、複雑なケースではとても考えにくくなります。簡単な例から始めて、慣れていきましょう。

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対象者: 数学A
分野: 場合の数と確率
トピック: 確率
レベル: 基本
キーワード: 条件付確率
更新日:2017/03/25