なかけんの数学ノート

【基本】まとめて数える

ここでは、数え方の基本である「まとめて数える」方法を見ていきます。樹形図というものを利用して数えていきます。

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書き出すときは辞書順で

ここでは、Aさん、Bさん、Cさん、Dさんの4人を1列に並べる方法は何通りあるかを考えてみます。

【基本】書き出して数えるで見たように、すべてのケースを書き出すのが基本です。少し書き出してみます。

  • ABCD
  • ABDC
  • ACBD
  • ACDB
  • ADBC
  • ADCB

Aさんが先頭の場合だけでこれだけあります。まだありますが、いったんここでとめておきます。

なお、書き出すときには、モレやダブりがないように順番に並べることが重要です。上の並べ方は、2文字目がアルファベット順になっていて、2文字目が同じもの(例えばABCDとABDCなど)を比べると3文字目がアルファベット順になっています。
basic-collect-and-count-01
これは、紙の辞書と同じ並び順です。そのため、このような並び順を辞書順辞書式順序(lexicographic order / dictionary order)と言います。またこのように並べることを辞書式に並べると言います。このように書きだすと、モレやダブりが発生することはありません。

樹形図を使って書きだそう

4人を並べる方法について、続けて考えていきましょう。

まだAさんが先頭の場合しか考えていませんでしたね。

  • ABCD
  • ABDC
  • ACBD
  • ACDB
  • ADBC
  • ADCB

毎回Aさんを書くのは面倒です。そのため、次のようにして簡略化して書くと楽チンです。
basic-collect-and-count-02
例えば上から3つ目は、「ACBD」という並び方に対応するということです。よく見ると、2番目もまとめることができますね。
basic-collect-and-count-03
同じものをまとめるだけで、スッキリと書き出すことができます。このような図を樹形図(tree diagram)と言います。反時計回りに90度まわすと、木の幹から枝葉に分かれているような図になるので、こうした名前がついています。

まとめて数えよう

4人を並べる方法が何通りあるか、答えを出しましょう。大きな図になってしまいますが、すべてを樹形図で書き出すと、次のようになります。
basic-collect-and-count-04
左側はまとめられているので、数えるときは右端の個数を数えます。全部で24通りであることがわかります。

しかし、右端を1個1個数えずに、まとめて数えたほうが楽チンです。先頭を決めた後の樹形図の構造は、次のようにすべて同じです。
basic-collect-and-count-05
赤い箱は4つあります。これは先頭の決め方が4通りあることに対応しています。また、赤い箱の中はすべて同じ構造なので、「 $4\times\bigcirc$ 」という式で計算できることがわかります。

次に赤い箱の中を考えてみましょう。1つ目の赤い箱の中は、次の部分が同じ構造になっています。
basic-collect-and-count-06
青い箱が3つあります。これは、2番目に並ぶ人の決め方が3通りあることに対応しています。青い箱の中はすべて同じ構造なので、全体の並び順は「 $4\times3\times\bigcirc$ 」という式で計算できることがわかります。

青い箱の中は、残りの2人を並べる方法なので、2通りです。以上から、\[ 4\times 3\times 2=24 \]通りと求めることができます。

この数え方は、樹形図で同じ構造のところをまとめて数えていることになります。同じことですが、次のように考えることもできます。先頭の決め方が4通りあり、それぞれに対して2番目の決め方が3通りあり、それぞれに対して、3番目の決め方が2通りあり、それぞれに対して4番目の決め方が1通りある。よって、\[ 4\times 3\times 2\times 1=24 \]通りと求められる、と。「それぞれに対して」というのは、樹形図でいうところの「それぞれの枝」に対応しています。はじめに4本の枝があって、それぞれの枝から3本ずつ枝が出て、それぞれの枝から2本ずつ枝が出て、最後に1本枝が出ている、ということですね。なので、掛け算をすれば、全体で何通りあるかが出てきます。

もし、4人ではなく5人を一列に並べる場合はどうなるでしょうか。先頭の決め方は5通りあります。先頭を決めた後の残りの4人の並び順の決め方は、今まで見てきたように24通りあります。先頭を決めると、その後にそれぞれ24通りの並び方ができるので、5人の並べ方は全部で\[ 5\times 24=120 \]通りとなります。樹形図でいうと、先頭に並ぶ人の右側に、上にかいた縦長の樹形図が続くことになるわけですね。

慣れてくると、樹形図をかかずに、計算式を使って場合の数を求めることができるようになります。ただ、「樹形図をかいたときに、同じ構造が出てくるから、掛け算で求めることができる」ということを、頭の片隅に入れておくようにしましょう。

おわりに

ここでは、樹形図と、まとめて数える方法の紹介をしました。毎回すべてのパターンを書き出すのは大変ですが、樹形図を使えば少し楽になります。また、樹形図をかいたときに、構造が同じ部分はまとめて数えることができるので、掛け算で答えを出すことができます。慣れてくれば、樹形図をかかなくても計算式が作れるようになりますが、頭の中では樹形図を思い描くようにしましょう。

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対象者: 数学A
分野: 場合の数と確率
トピック: 場合の数
レベル: 基本
キーワード: 場合の数, 樹形図
更新日:2017/01/07