【基本】等差数列の和

ここでは、等差数列の和について考えていきます。

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等差数列の和(具体例)

次のような等差数列を考えてみましょう。\[ 1,4,7,10,13,16,19 \]これは、初項が $1$ で、公差が $3$ 、項数が $7$ の等差数列です。この数列の和を考えてみましょう。

もちろん、前から順番に足していく、という方法もあります。しかし、工夫して、もっと楽に計算する方法はないでしょうか。

よく見ると、最初と最後、最初から2番目と最後から2番目、などと組み合わせていくと、10の倍数が出てきて、計算が楽になりそうです。20が3セットでき、10が1つ余ります。よって、\[ 20\times 3+10=70 \]と求められます。前から順番に足すよりもだいぶ楽ですね。

このように、「前から」と「後ろから」を対応させるテクニックは、どこかで見たことがある人もいるでしょう。もしくは、自力で思いついた人もいるかもしれません。

このテクニックを少し応用して、次のような式を考えてみましょう。
\begin{array}{c}
\ \ 1 +\ 4 +\ 7 +10 +13 +16 +19 \\[5pt] 19 +16 +13 +10 +\ 7 +\ 4 +\ 1 \\[5pt] \end{array}「前から」と「後ろから」を対応させやすいように、2行目に、1行目の式の足す順番を逆にしたものを書いています。こうすれば、上下に足すことで、先ほどのテクニックと似た効果が得られます。上下を加えれば、各項から20が出てきます。これが7セットできます。ただ、1行目と2行目は同じ値で、求めたいのは片方だけなので、2で割ればいいですね。つまり、\[ 20\times 7\div 2=70 \]と求められます。先ほどの計算方法と同じ答えになりましたね。

この後半で使った技は、一般の等差数列の和を求めるときにも使うことができます。以下で見ていきましょう。

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等差数列の和(一般の場合)

初項 a, 公差 d, 項数 n の等差数列があったとします。この初項から第 n 項までの和を、先ほどのテクニックを使って求めてみましょう。

初項から第 n 項までの和をそのまま書くと、\[ a+ (a+d)+(a+2d)+\cdots+\{a+(n-2)d\}+\{a+(n-1)d\} \]となります。この足す順番を逆にすると、\[ \{a+(n-1)d\}+\{a+(n-2)d\}+\cdots+(a+2d)+(a+d)+a \]となります。少し見づらいですね。2つ目の式の1つ目の項は $a_n$ であり、順番に $-d$ を足していったものがあらわれていくので、2つ目の式は\[ a_n+ (a_n-d)+(a_n-2d)+\cdots+\{a_n-(n-2)d\}+\{a_n-(n-1)d\} \]と書くこともできます。

あらためて2つの式を並べてみましょう。
\begin{eqnarray}
& a+ (a+d)+(a+2d)+\cdots+\{a+(n-2)d\}+\{a+(n-1)d\} \\[5pt] & a_n+ (a_n-d)+(a_n-2d)+\cdots+\{a_n-(n-2)d\}+\{a_n-(n-1)d\}
\end{eqnarray}1行目の i 番目の項は、 ad を $(i-1)$ 回足したもの、2行目の i 番目の項は、 $a_n$ から d を $(i-1)$ 回引いたものです。なので、 i 番目同士を足すと、 $a+a_n$ が出てきます。初項と末項の和が出てくるということです。これが各項から出てくるので、このセットが n 個出てくるということですね。求めたいのは1行目だけなので、半分にすればいいです。結局、初項から末項までの和は\[ \frac{1}{2}n(a+a_n) \]となることがわかります。

等差数列の和
初項が a で、公差が d の等差数列に対し、初項から第 n 項までの和は、次で表すことができる。\[ \frac{1}{2}n(a+a_n) \]

また、公差を使えば、 $a_n=a+(n-1)d$ となるので、初項から末項までの和は\[ \frac{1}{2}n\{2a+(n-1)d\} \]と書くこともできます。

この式のすごいところは、和を直接計算しなくても、和が求められる点です。

例えば、初項が $1$ で、公差が $3$ の等差数列 $\{a_n\}$ について、初項から第100項までの和を求めてみましょう。第100項は $a_{100}=1+3(100-1)=298$ なので、\[ \frac{1}{2}\times 100\times(1+298)=14950 \]と求められます。

今までは直接足す以外に方法がありませんでしたが、これからはもっと楽に計算することができます。項数が多いほど、強力です。

おわりに

ここでは、等差数列の和について見てきました。初項、末項、項数だけで和が求められる、というのはとても便利ですね。今後も、いろいろな数列の和を見ていきます。