🏠 Home / 東京大学 / 東大理系

東京大学 理系 2016年度 第3問 解説

問題編

【問題】
aを$1 \lt a \lt 3$をみたす実数とし、座標空間内の4点$\mathrm{ P_1 }(1,0,1)$、$\mathrm{ P_2 }(1,1,1)$、$\mathrm{ P_3 }(1,0,3)$、$\mathrm{ Q }(0,0,a)$を考える。直線$\mathrm{ P_1Q }$、$\mathrm{ P_2Q }$、$\mathrm{ P_3Q }$とxy平面の交点をそれぞれ$\mathrm{ R_1 }$、$\mathrm{ R_2 }$、$\mathrm{ R_3 }$として、三角形$\mathrm{ R_1R_2R_3 }$の面積を$S(a)$とする。$S(a)$を最小にするaと、そのときの$S(a)$の値を求めよ。

【考え方】
$\mathrm{ P_1 }$と$\mathrm{ P_2 }$と$\mathrm{ Q }$はy座標が0なので、$\mathrm{ R_1 }$と$\mathrm{ R_3 }$はx軸上にあるということがわかります。そのため、三角形の頂点の座標が出せれば、その面積は簡単に出すことができます。

最小値を求めるには、これを微分して計算するだけです。方針を立てるのは難しくありません。計算も特に工夫することもなく解けます。


解答編

【問題】
aを$1 \lt a \lt 3$をみたす実数とし、座標空間内の4点$\mathrm{ P_1 }(1,0,1)$、$\mathrm{ P_2 }(1,1,1)$、$\mathrm{ P_3 }(1,0,3)$、$\mathrm{ Q }(0,0,a)$を考える。直線$\mathrm{ P_1Q }$、$\mathrm{ P_2Q }$、$\mathrm{ P_3Q }$とxy平面の交点をそれぞれ$\mathrm{ R_1 }$、$\mathrm{ R_2 }$、$\mathrm{ R_3 }$として、三角形$\mathrm{ R_1R_2R_3 }$の面積を$S(a)$とする。$S(a)$を最小にするaと、そのときの$S(a)$の値を求めよ。

【解答】
xz平面で、$\mathrm{ P_1Q }$の方程式は、$z=(1-a)x+a$なので、$z=0$のとき、$x=\frac{a}{a-1}$である。よって、$R_1$の座標は、$(\frac{a}{a-1},0,0)$である。

$\mathrm{ P_2Q }$上の点は、tを実数として、\[(0,0,a)+t(1,1,1-a)=(t,t,a+t(1-a))\]と書ける。$z=0$のとき、$t=\frac{a}{a-1}$なので、$R_2$の座標は、$(\frac{a}{a-1},\frac{a}{a-1},0)$となる。

xz平面で、$\mathrm{ P_3Q }$の方程式は、$z=(3-a)x+a$なので、$z=0$のとき、$x=\frac{a}{a-3}$である。よって、$R_3$の座標は、$(\frac{a}{a-3},0,0)$である。

以上から、\[ \displaystyle S(a) = \frac{1}{2}\left(\frac{a}{a-1}-\frac{a}{a-3}\right)\frac{a}{a-1} \]となる。これを計算すると\[ \displaystyle S(a) = \frac{-a^2}{(a-1)^2(a-3)}\]となる。

これを微分すると
\begin{eqnarray} S'(a) &=& \frac{-2a(a-1)^2(a-3)+a^2\{2(a-1)(a-3)+(a-1)^2\} }{(a-1)^4(a-3)^2} \\[5pt] &=& \frac{-2a(a-1)(a-3)+a^2\{2(a-3)+(a-1)\} }{(a-1)^3(a-3)^2} \\[5pt] &=& a\frac{-2(a-1)(a-3)+a(3a-7)}{(a-1)^3(a-3)^2} \\[5pt] &=& a\frac{-2a^2+8a-6+3a^2-7a}{(a-1)^3(a-3)^2} \\[5pt] &=& a\frac{a^2+a-6}{(a-1)^3(a-3)^2} \\[5pt] &=& a\frac{(a+3)(a-2)}{(a-1)^3(a-3)^2} \end{eqnarray}となる。

$1 \lt a \lt 3$の範囲で、$S'(a)=0$となるのは、$a=2$のときのみ。よって、増減表は次のようになる。
\begin{array}{c|ccccc} a & 1 & \cdots & 2 & \cdots & 3 \\ \hline S'(a) & & - & 0 & + & \\ \hline S(a) & & \searrow & & \nearrow & \end{array} これより、最小値は$a=2$のとき。また、このとき、$S(2)=\frac{-2^2}{1^2(-1)}=4$となる。

【解答終】

【解説】
3点の座標を求める、三角形の面積を求める、増減表を書く、という基本的な流れで解けます。特にひねりもないので、この問題は確実に解いておきたい問題です。

関連するページ

YouTubeもやってます

チャンネル登録はコチラから (以下は、動画のサンプルです)
慶應義塾大学薬学部2024年度数学第1問5 同志社大学文系2024年度数学第1問3 昭和大学医学部I期2024年度数学第2問 兵庫医科大学2024年度数学第3問 共通テスト2B2024年度第3問2のヒントについて 久留米大学医学部推薦2024年度数学第4問