京都大学 理学部特色入試 2016年度 第2問 解説

問題編

問題

 $0 \leqq x \leqq 1$ の範囲で定義された連続関数 $f(x)$ に対し、x が $0 \leqq x \leqq 1$ の範囲を動くときの $f(x)$ の最大値を $\displaystyle \max_{0 \leqq x \leqq 1}f(x)$ とおく。以下の設問に答えよ。

(1) $0 \leqq x \leqq 1$ の範囲で定義された狭義単調増加な連続関数 $f(x)$ に対し、以下の不等式が成立することを示せ。\[ \int_0^1|f(x)|dx \leqq 3 \max_{0 \leqq x \leqq 1} \left| \int_0^x f(t) dt \right| \]ただし、 $f(x)$ が狭義単調増加であるとは、「 $x\lt y$ ならば $f(x)\lt f(y)$ 」を満たすことをいう。

(2) 以下の条件(A)を満たすような実数 C は存在しないことを示せ。
 (A) $0 \leqq x \leqq 1$ の範囲で定義されたどのような連続関数 $f(x)$ に対しても、不等式\[ \int_0^1|f(x)|dx \leqq C \max_{0 \leqq x \leqq 1} \left| \int_0^x f(t) dt \right| \]が成立する。

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考え方

抽象的な問題ですが、抽象的であるがゆえに使える道具が少ないので、解きやすいとも言えます。実際、2016年度の特色入試の中では、この問題が一番簡単です(この難易度で…)。

(1)は、狭義単調増加な連続関数なので、グラフは右肩上がりになります。x軸を横切るのは1回だけなので、その前後で左辺の絶対値が外れます。

絶対値を外したあとは、右辺が使える形に変形していくと、「3」という数字も出てきます。$f(x)$が常に正、常に負の場合を分けたくなりますが、特に分けなくても証明することはできます。

(2)は、具体的な反例を書くのが手っ取り早いです。左辺は、 $y=f(x)$ のグラフが x 軸を何度も横切る場合、どんどん面積が加算されていきます。一方、右辺は積分してから絶対値をつけているので、 x 軸を何度も横切った場合、 x 軸の上下にある部分の面積がどんどん相殺されていきます。

ということで、 x 軸を何度も横切るような例を考えればいいわけですね。 x 軸を何度も横切る折れ線や、三角関数を考えるのが自然です。ここでは、式を書きやすい三角関数で考えてみます。