🏠 Home / 京都大学 / 京大理系

京都大学 理系 2006年度 第3問 解説

問題編

【問題】
 関数$y=f(x)$のグラフは、座標平面で原点に関して点対称である。さらにこのグラフの$x\leqq 0$の部分は、軸がy軸に平行で、点$\displaystyle \left(-\frac{1}{2},\frac{1}{4}\right)$を頂点とし、原点を通る放物線と一致している。このとき$x=-1$におけるこの関数のグラフの接線とこの関数のグラフによって囲まれる図形の面積を求めよ。

【考え方】
変わった出題のされ方ですが、方針は立ちやすいですね。まずは$x\leqq 0$の部分を調べ、$y=f(x)$を把握します。次に接線の方程式を求めて、もう一つの交点を求めれば、あとは積分するだけですね。計算もそんなに大変ではなく、易しめの問題です。


解答編

【問題】
 関数$y=f(x)$のグラフは、座標平面で原点に関して点対称である。さらにこのグラフの$x\leqq 0$の部分は、軸がy軸に平行で、点$\displaystyle \left(-\frac{1}{2},\frac{1}{4}\right)$を頂点とし、原点を通る放物線と一致している。このとき$x=-1$におけるこの関数のグラフの接線とこの関数のグラフによって囲まれる図形の面積を求めよ。

【解答】
まず、$y=f(x)$の$x\leqq 0$の部分について考える。

$\displaystyle \left(-\frac{1}{2},\frac{1}{4}\right)$を頂点とする放物線の式は、0でない実数aを用いて\[ y=a\left(x+\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{4} \]と書ける。これが原点を通るので、
\begin{eqnarray} 0 &=& a\left(0+\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{4} \\[5pt] a &=& -1 \end{eqnarray}となる。よって、$x\leqq 0$の部分では、 \begin{eqnarray} f(x) &=& -\left(x+\frac{1}{2}\right)^2+\frac{1}{4} \\[5pt] &=& -x^2 -x \end{eqnarray}となる。

このグラフは原点に関して点対称なので、$x\geqq 0$の部分については、
\begin{eqnarray} f(x) &=& -\left\{ -(-x)^2 -(-x) \right\} \\[5pt] &=& x^2 -x \end{eqnarray}となる。

次に、$x=-1$におけるこの関数のグラフの接線の方程式を求める。$x\leqq 0$の範囲では$f'(x)=-2x-1$なので、$f'(-1)=1$である。また、$f(-1)=0$なので、接線の方程式は$y=x+1$となる。

続いて、$x\geqq 0$の範囲で、この接線と$y=f(x)$のグラフとの交点を求める。
\begin{eqnarray} x^2 -x &=& x+1 \\ x^2 -2x -1 &=& 0 \\ x &=& 1 \pm \sqrt{2} \end{eqnarray}だから、交点のx座標は、$1 + \sqrt{2}$となる。

よって求める面積は、
\begin{eqnarray} & & \int_{-1}^0 \left\{ (x+1) -(-x^2 -x) \right\} + \int_0^{1 + \sqrt{2} } \left\{ (x+1) -(x^2 -x) \right\}dx \\[5pt] &=& \int_{-1}^0 \left( x^2 +2x+1 \right) + \int_0^{1 + \sqrt{2} } \left( -x^2 +2x+1 \right)dx \\[5pt] &=& \left[ \frac{x^3}{3}+x^2+x \right]_{-1}^0 + \left[ -\frac{x^3}{3}+x^2+x \right]_0^{1 + \sqrt{2} } \\[5pt] &=& -\left( \frac{-1}{3}+1-1 \right) -\frac{(1 + \sqrt{2})^3}{3}+(1 + \sqrt{2})^2+1 + \sqrt{2} \\[5pt] &=& \frac{1}{3} -\frac{1+3\sqrt{2}+6+2\sqrt{2} }{3} +1 + 2\sqrt{2}+2+1 + \sqrt{2} \\[5pt] &=& \frac{1 -(7+5\sqrt{2})+ 3(4+3\sqrt{2}) }{3} \\[5pt] &=& \frac{6 +4\sqrt{2} }{3} \\[5pt] \end{eqnarray}となる。

【解答終】

【解説】
問題文に書いてあることを正しく読み取って、落ち着いて計算すれば解ける問題です。ひっかかるところは少ないでしょう。

関連するページ

YouTubeもやってます

チャンネル登録はコチラから (以下は、動画のサンプルです)
慶應義塾大学薬学部2024年度数学第1問5 同志社大学文系2024年度数学第1問3 昭和大学医学部I期2024年度数学第2問 兵庫医科大学2024年度数学第3問 共通テスト2B2024年度第3問2のヒントについて 久留米大学医学部推薦2024年度数学第4問