京都大学 文系 2014年度 第4問 解説

解答編

問題

 次の式\[ a_1=2, \ a_{n+1} = 2a_n-1 \quad (n=1,,3,\cdots) \]で定められる数列 $\{a_n\}$ を考える。

(1) 数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めよ。
(2) 次の不等式\[ a_n^2-2a_n \gt 10^{15} \]を満たす最小の自然数 n を求めよ。ただし、 $0.3010 \lt \log_{10} 2 \lt 0.3011$ であることは用いてよい。

解答

(1)
与えられた漸化式は、次のように変形できる。
\begin{eqnarray}
a_{n+1} &=& 2a_n -1 \\
a_{n+1} -1 &=& 2(a_n -1) \\
\end{eqnarray}これと $a_1=2$ から
\begin{eqnarray}
a_n -1 &=& 2^{n-1} \times (2-1) \\
a_n &=& 2^{n-1} +1 \\
\end{eqnarray}が得られる。

(2)
(1)より、与えられた不等式の左辺は、次のように変形できる。
\begin{eqnarray}
a_n^2 -2a_n
&=&
(2^{n-1} +1)^2 -2(2^{n-1} +1) \\
&=&
2^{2(n-1)} +2\cdot 2^{n-1}+1 -2\cdot 2^{n-1} -2 \\
&=&
2^{2(n-1)} -1 \\
\end{eqnarray}
ここで、
\begin{eqnarray}
& &
2^{2(n-1)} \gt 10^{15} \\[5pt] &\iff&
2(n-1) \log_{10}2 \gt 15 \\[5pt] &\iff&
n \gt \frac{15}{2\log_{10}2}+1 \\[5pt] \end{eqnarray}である。最後の式の右辺について、
\begin{eqnarray}
\frac{15}{2\cdot 0.3011}+1 \lt \frac{15}{2\log_{10}2}+1 \lt \frac{15}{2\cdot 0.3010}+1
\end{eqnarray}が成り立ち、
\begin{eqnarray}
\frac{15}{2\cdot 0.3011}+1 = 25.90\cdots \\[5pt] \frac{15}{2\cdot 0.3010}+1 = 25.91\cdots
\end{eqnarray}であることから、\[2^{2(n-1)} \gt 10^{15}\]を満たす最小の n は26である。このことから\[ 2^{2(n-1)} -1 \geqq 10^{15} \]を満たす最小の n も26であることがわかる。 $n=26$ のとき、 $2^{2(n-1)}$ の1の位は偶数なので、左辺の1の位は奇数であり、この不等式の等号が成り立つことはない。よって、\[ a_n^2 -2a_n = 2^{2(n-1)} -1 \gt 10^{15} \]を満たす最小の整数 n は26である。

(終)

解説

(1)は、特性方程式を考えて解く問題です。教科書の例題レベルです。

(2)は、\[ 2^{2(n-1)}-1 \gt 10^{15} \]となり、 $-1$ が邪魔です。ただ、この $-1$ は、実質的には、考えなくても問題ありません。なぜなら、 $n\geqq 2$ のときは、\[ 2^{2(n-1)} \gt 10^{15} \]の左辺の1の位は0以外の偶数なので、左辺から1を引いても右辺と等しくなることはなく、
\begin{eqnarray}
2^{2(n-1)} \gt 10^{15} \Rightarrow 2^{2(n-1)}-1 \gt 10^{15}
\end{eqnarray}が成り立ち、逆はいつでも成り立つので、2つは同値になるからです。 $-1$ がなければ、普通の「対数の不等式」の問題です。