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センター試験 数学II・数学B 2015年度 第5問 解説

$\def\myBox#1{\bbox[2px, border:2px solid]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } }$ $\def\mybox#1{\bbox[2px, border:1px solid gray]{ \textsf{ #1 } } }$ $\def\dBox#1{\bbox[3px, border: 2px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \class{bold}{ \textsf{ #1 } } } } }$ $\def\dbox#1{\bbox[4px, border: 1px solid ]{\bbox[0px, border: 1px solid ]{ \textsf{ #1 } } } }$

問題編

問題

(正規分布表は省略しています)

 以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて29ページの正規分布表を用いてもよい。
 また、小数の形で解答する場合、指定された桁数の一つ下の桁を四捨五入し、解答せよ。途中で割り切れた場合、指定された桁まで0にマークすること。

(1) 袋の中に白球が4個、赤球が3個入っている。この袋の中から同時に3個の球を取り出すとき、白球の個数を W とする。確率変数 W について
\begin{eqnarray} & & P(W=0)=\frac{\myBox{ア}}{\myBox{イウ}}, \quad P(W=1)=\frac{\myBox{エオ}}{\mybox{イウ}} \\[5pt] & & P(W=2)=\frac{\myBox{カキ}}{\mybox{イウ}}, \quad P(W=3)=\frac{\myBox{ク}}{\mybox{イウ}} \end{eqnarray}であり、期待値(平均)は、$\displaystyle \frac{\myBox{ケコ}}{\myBox{サ}}$、分散は$\displaystyle \frac{\myBox{シス}}{\myBox{セソ}}$である。

(2) 確率変数Zが正規分布に従うとき\[ P\left(-\myBox{タ}\leqq Z \leqq \mybox{タ}\right) =0.99 \]が成り立つ。 $\myBox{タ}$ に当てはまる最も適切なものを、次の0~3のうちから一つ選べ。

 0: 1.64
 1: 1.96
 2: 2.33
 3: 2.58

(3) 母標準偏差 $\sigma$ の母集団から、大きさ n の無作為標本を抽出する。ただし、n は十分に大きいとする。この標本から得られる母平均 m の信頼度(信頼係数)95%の信頼区間を $A\leqq m \leqq B$ とし、この信頼区間の幅 $L_1$ を $L_1=B-A$ で定める。

 この標本から得られる信頼度99%の信頼区間を $C\leqq m \leqq D$ とし、この信頼区間の幅 $L_2$ を $L_2=D-C$ で定めると\[ \frac{L_2}{L_1}=\myBox{チ}.\ \myBox{ツ} \]が成り立つ。また、同じ母集団から、大きさ $4n$ の無作為標本を抽出して得られる母平均 m の信頼度95%の信頼区間を $E\leqq m \leqq F$ とし、この信頼区間の幅 $L_3$ を $L_3=F-E$ で定める。このとき\[ \frac{L_3}{L_1}=\myBox{テ}.\ \myBox{ト} \]が成り立つ。

考え方

(1)は場合の数を考えるだけですね。期待値・分散も定義通りに計算します。定義がわかっていれば難しい計算ではありません。

(2)は、正規分布表を見て答える問題です。(3)は、信頼区間の幅が何で決まるかを理解しているか問う問題です。後半は、信頼区間が「標本数の$-\frac{1}{2}$乗」に比例することを利用して計算します。


解答編

問題

(正規分布表は省略しています)

 以下の問題を解答するにあたっては、必要に応じて29ページの正規分布表を用いてもよい。
 また、小数の形で解答する場合、指定された桁数の一つ下の桁を四捨五入し、解答せよ。途中で割り切れた場合、指定された桁まで0にマークすること。

(1) 袋の中に白球が4個、赤球が3個入っている。この袋の中から同時に3個の球を取り出すとき、白球の個数を W とする。確率変数 W について
\begin{eqnarray} & & P(W=0)=\frac{\myBox{ア}}{\myBox{イウ}}, \quad P(W=1)=\frac{\myBox{エオ}}{\mybox{イウ}} \\[5pt] & & P(W=2)=\frac{\myBox{カキ}}{\mybox{イウ}}, \quad P(W=3)=\frac{\myBox{ク}}{\mybox{イウ}} \end{eqnarray}であり、期待値(平均)は、$\displaystyle \frac{\myBox{ケコ}}{\myBox{サ}}$、分散は$\displaystyle \frac{\myBox{シス}}{\myBox{セソ}}$である。

解説

白球が4個、赤球が3個入っている袋から、同時に3個の玉を取り出すので、取り出し方は、$_7\mathrm{ C }_3=35$ 通りあります。

白球が0個になる取り出し方は、赤3個から玉3個をとる方法なので、$_3\mathrm{ C }_3=1$ 通り。
白球が1個になる取り出し方は、白の選び方が $_4\mathrm{ C }_1=4$、赤の選び方が $_3\mathrm{ C }_2=3$ なので、$12$ 通り。
白玉が2個になる取り出し方は、$_4\mathrm{ C }_2\times _3\mathrm{ C }_1=18$ 通り。
白が3個になる取り出し方は、$_4\mathrm{ C }_3=4$ 通り。

よって、
 $P(W=0)=1/35$
 $P(W=1)=12/35$
 $P(W=2)=18/35$
 $P(W=3)=4/35$
となります。

期待値は
\begin{eqnarray} & & 0 \times \frac{1}{35} + 1 \times \frac{12}{35} + 2 \times \frac{18}{35} + 3 \times \frac{4}{35} \\[5pt] &=& \frac{12}{7} \end{eqnarray}となります。

分散は、
\begin{eqnarray} & & 0^2 \times \frac{1}{35} + 1^2 \times \frac{12}{35} + 2^2 \times \frac{18}{35} + 3^2 \times \frac{4}{35} - \left( \frac{12}{7} \right)^2 \\[5pt] &=& \frac{120}{35} - \frac{144}{49} = \frac{24}{49} \end{eqnarray} となります。

解答

アイウ:135
エオ:12
カキ:18
ク:4
ケコサ:127
シスセソ:2449

解答編 つづき

問題

(2) 確率変数Zが正規分布に従うとき\[ P\left(-\myBox{タ}\leqq Z \leqq \mybox{タ}\right) =0.99 \]が成り立つ。 $\myBox{タ}$ に当てはまる最も適切なものを、次の0~3のうちから一つ選べ。

 0: 1.64
 1: 1.96
 2: 2.33
 3: 2.58

解説

問題文に掲載されている正規分布表を用いて答えます。正規分布表は、各$z_0$に対して
\begin{eqnarray} P(0 \leqq Z \leqq z_0) \end{eqnarray}の値が表示されています。よって、今考えている問題では、 \begin{eqnarray} P(0 \leqq Z \leqq x) = 0.495 \end{eqnarray}となる $x$ を表から見つければ、それが答えになります。これを見ると、$x$ が 2.57 のときに 0.4949、$x$ が 2.58 のときに 0.4951 となるので、これらが求める値に近いことが分かります。選択肢の中では、2.58 が答えだとわかります。

なお、他の選択肢も、よく使われる数字です。
1.64は、$P(-x \leqq Z \leqq x) = 0.90$ となる x です。
1.96は、$P(-x \leqq Z \leqq x) = 0.95$ となる x です。
2.33は、$P(Z \leqq x) = 0.99$ となる x です。

解答

タ:3

解答編 つづき

問題

(3) 母標準偏差 $\sigma$ の母集団から、大きさ n の無作為標本を抽出する。ただし、n は十分に大きいとする。この標本から得られる母平均 m の信頼度(信頼係数)95%の信頼区間を $A\leqq m \leqq B$ とし、この信頼区間の幅 $L_1$ を $L_1=B-A$ で定める。

 この標本から得られる信頼度99%の信頼区間を $C\leqq m \leqq D$ とし、この信頼区間の幅 $L_2$ を $L_2=D-C$ で定めると\[ \frac{L_2}{L_1}=\myBox{チ}.\ \myBox{ツ} \]が成り立つ。また、同じ母集団から、大きさ $4n$ の無作為標本を抽出して得られる母平均 m の信頼度95%の信頼区間を $E\leqq m \leqq F$ とし、この信頼区間の幅 $L_3$ を $L_3=F-E$ で定める。このとき\[ \frac{L_3}{L_1}=\myBox{テ}.\ \myBox{ト} \]が成り立つ。

解説

(2)で見た通り、標準正規分布 $Z$ が $P(-x \leqq Z \leqq x) = 0.99$ となる $x$ は $2.58$ であり、同様に正規分布表を見ると、$P(-x \leqq Z \leqq x) = 0.95$ となる $x$ は $1.96$ であるから、
\begin{eqnarray} \frac{L_2}{L_1} = \frac{2.58}{1.96} = 1.316\cdots \end{eqnarray}となります。

また、信頼区間の幅は、データ数の $-\dfrac{1}{2}$ 乗に比例するので、$L_3$ は $L_1\times4^{-1/2}$ となります。よって、$\dfrac{L_3}{L_1}=0.5$ となります。

解答

チツ:13
テト:05

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