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センター試験 数学I・数学A 2006年度 第1問 [2] 解説

問題編

【問題】
 aは実数とし、bは0でない実数とする。abに関する条件p,q,rを次のように定める。
 p: a,bはともに有理数である
 q: $a+b$,$ab$はともに有理数である
 r: $\displaystyle \frac{a}{b}$は有理数である

(1) 次の[ス]に当てはまるものを、下の0~3のうちから一つ選べ。

 条件pの否定$\overline{ p }$は[ス]である。

0: 「a,bはともに有理数である」
1: 「a,bはともに無理数である」
2: 「a,bの少なくとも一方は有理数である」
3: 「a,bの少なくとも一方は無理数である」

(2) 次の[セ]に当てはまるものを、下の0~3のうちから一つ選べ。

 条件「qかつr」は条件pが成り立つための[セ]。

0: 必要十分条件である
1: 必要条件であるが十分条件ではない
2: 十分条件であるが必要条件ではない
3: 必要条件でも十分条件でもない

(3) 次の0から7のうち、正しいものは[ソ]である。

0: 「$p\Rightarrow q$」は真、「$p\Rightarrow q$」の逆は真、「$p\Rightarrow q$」の対偶は真である。
1: 「$p\Rightarrow q$」は真、「$p\Rightarrow q$」の逆は真、「$p\Rightarrow q$」の対偶は偽である。
2: 「$p\Rightarrow q$」は真、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽、「$p\Rightarrow q$」の対偶は真である。
3: 「$p\Rightarrow q$」は真、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽、「$p\Rightarrow q$」の対偶は偽である。
4: 「$p\Rightarrow q$」は偽、「$p\Rightarrow q$」の逆は真、「$p\Rightarrow q$」の対偶は真である。
5: 「$p\Rightarrow q$」は偽、「$p\Rightarrow q$」の逆は真、「$p\Rightarrow q$」の対偶は偽である。
6: 「$p\Rightarrow q$」は偽、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽、「$p\Rightarrow q$」の対偶は真である。
7: 「$p\Rightarrow q$」は偽、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽、「$p\Rightarrow q$」の対偶は偽である。

【考え方】
まず(1)は、「両方Aである」の否定が「どちらか片方がAではない」であることに注意して選びます。

(2)は反例に注意して考えます。少し思いつきにくいかもしれませんが、ルートが打ち消しあってしまう例を考えます。

(3)は、元の命題と対偶の命題は真偽が同じであることに注意します。つまり、元の命題が真なら対偶も真になります。よって、3つ考えないといけないわけではなく、元の命題とその逆の2つを考えればOKです。


解答編

【問題】
 aは実数とし、bは0でない実数とする。abに関する条件p,q,rを次のように定める。
 p: a,bはともに有理数である
 q: $a+b$,$ab$はともに有理数である
 r: $\displaystyle \frac{a}{b}$は有理数である

(1) 次の[ス]に当てはまるものを、下の0~3のうちから一つ選べ。

 条件pの否定$\overline{ p }$は[ス]である。

0: 「a,bはともに有理数である」
1: 「a,bはともに無理数である」
2: 「a,bの少なくとも一方は有理数である」
3: 「a,bの少なくとも一方は無理数である」

【解説】
「ともにAである」の否定は「どちらかがAではない」です。なので、「ともに有理数」の否定は、「どちらかが有理数ではない」となります。「有理数ではない」ということは、「無理数」ということなので、「a,bの少なくとも一方は無理数である」が正解です。

【解答】
ス:3

【問題】
(2) 次の[セ]に当てはまるものを、下の0~3のうちから一つ選べ。

 条件「qかつr」は条件pが成り立つための[セ]。

0: 必要十分条件である
1: 必要条件であるが十分条件ではない
2: 十分条件であるが必要条件ではない
3: 必要条件でも十分条件でもない

【解説】
まずは、「qかつrならばp」が成り立つかを考えます。

反例がないか考えてみると、$a=\sqrt{2}$、$b=-\sqrt{2}$のとき、$a+b,ab,\frac{a}{b}$がすべて有理数になってしまいます。つまり、上の命題は成り立たないということです。

逆に、「pならばqかつr」が成り立つかを考えてみます。有理数は四則演算を行っても、答えは有理数になるので、こちらは正しいです。

よって、「qかつr」は条件pが成り立つための、必要条件であるが十分条件ではないことがわかります。

【解答】
セ:1

【問題】
(3) 次の0から7のうち、正しいものは[ソ]である。

0: 「$p\Rightarrow q$」は真、「$p\Rightarrow q$」の逆は真、「$p\Rightarrow q$」の対偶は真である。
1: 「$p\Rightarrow q$」は真、「$p\Rightarrow q$」の逆は真、「$p\Rightarrow q$」の対偶は偽である。
2: 「$p\Rightarrow q$」は真、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽、「$p\Rightarrow q$」の対偶は真である。
3: 「$p\Rightarrow q$」は真、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽、「$p\Rightarrow q$」の対偶は偽である。
4: 「$p\Rightarrow q$」は偽、「$p\Rightarrow q$」の逆は真、「$p\Rightarrow q$」の対偶は真である。
5: 「$p\Rightarrow q$」は偽、「$p\Rightarrow q$」の逆は真、「$p\Rightarrow q$」の対偶は偽である。
6: 「$p\Rightarrow q$」は偽、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽、「$p\Rightarrow q$」の対偶は真である。
7: 「$p\Rightarrow q$」は偽、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽、「$p\Rightarrow q$」の対偶は偽である。

【解説】
(2)で見た通り、「$p\Rightarrow q$」は真です。

一方、$a=\sqrt{2}$、$b=-\sqrt{2}$のときを考えると、「$q\Rightarrow p$」は偽であることがわかります。つまり、「$p\Rightarrow q$」の逆は偽です。

元の命題と、対偶の真偽は同じなので、「$p\Rightarrow q$」は真だから「$p\Rightarrow q$」の対偶も真です。

以上のことから、選択肢の中では2が正しいものになります。

【解答】
ソ:2

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